補聴器 【その4】 聞く、聴く、訊く

聞く、聴く、訊く  

受身で聞く、積極的に聞く音

  「きく」という漢字には「聞く」と「聴く」又は「訊く」があります。これには

音声を耳にする人の心理的な違いが表されているようです。

 辞書には「聞こうとして聞く」場合を「聴く」と表現し、「音楽を聴く」などが

これにあたります。一方、「聞く」には消極的な姿勢が感じられます。
なにげなく聞く、聞く気はないが聞こえるといった場合に使われるからです。
こうしてみると、「聴く」が主体的なのに対し、「聞く」は受動的といって
もいいかも知れません。

音を理解するのは脳

 耳の老化による老人性難聴では、話声が音としては「聞こえて」も言ってる

内容がわからないという言葉の明瞭度の低下が起こります。しかし、それに

もかかわらず、「聞きたい話、聞く必要のある話」は意外なほどよく「聴き取る」

ことができるのです。

 これは脳の聴覚の「選択的聴取」という働きによるもので、聞く必要のある音

だけに注意を向けて聴くことができるのです。


聞きたいと感じるのは心

 大好きな恋人やかわいい孫の言う事ならよくわかるのも「この音を聞きたい」

という強い心があるからです。また、「聴く」よりももっと積極的な「訊く」は、

こちらから相手に向かって詳細を知りたいと働きかけるコミュニケーションの心理が

作用しています。これはもう、耳だけの働きではすまないレベルの

行為です。聴力を最大に生かし、健康で社会性や行動力も大きく影響して

きます。

 聞こえないからといってコミュニケーションを避けていては、聴力は

低下するばかりです。話しかけてくれないなら、こちらから話しかけていく

ぐらいの姿勢が聴力の低下を防ぎ、聴く能力を高めます。