補聴器 【その17】 補聴器のはなし②「耳がよみがえった」

 補聴器のはなし②「耳がよみがえった」  

原因は老化

 今から二十年前、聞こえづらさを感じて病院に行ったところ、「老化によ
る老人性難聴」と診断され大きなショックを受けた。まだ五十歳、中古車の
販売会社の所長をしており、お客様や社員と毎日対話をする必要があった。

 補聴器のことも頭に浮かんだが、周りから「あの人は耳が聞こえにくい」
と思われたくなかったので、つける事には踏み切れなかった。

周囲に励まされて

 聞こえづらいまま仕事を続けていたことで、今思い出しても情けなく、
悔しい思いをしたことがある。長年お付き合いしてきた大切なお客様が、
私を無視して他の担当者に相談するようになったのだ。会話の中でうまく聞き取
れなかった部分を、私が勝手に判断して対応したことで、お客様が不安や不信感を
持たれたことが原因だった。

 勇気を出して周りの方に相談した。すると「誰だって年をとれば耳は遠く
なるし、補聴器をつけることは少しも恥ずかしい事ではないよ」と励まされ
初めて補聴器をつくることにした。それからは、大事な話の時は必ず補聴器を
つけるようにして、無事定年まで勤め上げることができた。

第二の人生を楽しく

 定年後、健康のため社交ダンスを始めた。しかし、耳の老化も進行したのか
補聴器をつけてもダンスの先生の話が聞きづらくなってきた。販売店に相談し、
最新のデジタル補聴器を試聴してその進歩に驚いた。聞きやすさがグンと増した。
まるで別世界に来た気分だった。

 ダンスの練習にも一段と身が入り先日の競技会では、タンゴ、ワルツの二種目で
優勝という思いがけない成績を残すことができた。
「ダンスをやって良かった。補聴器のおかげだ」と感謝の気持ちで一杯だった。
これからも補聴器と一緒に楽しくダンスに取り組んでいこうと思う。