補聴器 【その14】 見えない障害「難聴」④「話聞かない」誤解に苦労

見えない障害「難聴」④「話聞かない」誤解に苦労  

非難されて涙が

 三十歳を過ぎて重い難聴に見舞われた、大阪市のフリーライター市原玲子
さん(42)。自分が難聴になって初めて「聞こえないつらさ」に気づいた。

難聴者の精神的苦痛は大きい。
 聞こえない事での苦労の中でも、意外に多いのが病院でのトラブルだ。
医師が背中を向けたまま質問したのに気づかず、『母親は人の話を聞かない』

とカルテに書かれた。看護士に、「話をするのも嫌ですか?」と言われ驚いた。

医療者は、身近に聴覚障害の人がいることを常に意識してほしい。
 ショップ店員など接客の場面では、お客様から『聞いてないの!』と言わ
れ、涙が出そうになった。
 「割り勘の時は、いつも一万円札を出す」。金額が聞き取れないためだ。

「財布はいつも小銭でいっぱい」という人もいる。
 外見ではわからない障害、難聴。「知られたくない」、「わかってほしい」

という2つの心が揺れ動く。
 普通に話しが聞き取れることもあれば聞き取れないこともあり、相手もど
う接してよいかがわからなくなるようだ。職場で、悪気はないが小さい声で
呼ばれ、つい私も聞こえたフリをしてしまう。

 


仲間の理解が助け

 コミュニケーション障害と呼ばれる難聴者にとって、仲間や周囲の理解は何よりも

大きな助けだ。
 「何度聞き返しても、何度でも答えてくれる主人との会話が楽しい」
「要約筆記、手話通訳のみなさんがいる。私はひとりぼっちじゃないと
わかった」
 難聴者が、いつでも気兼ねする事なく「聞こえません」と話せる社会になることが

望まれる。