補聴器 【その13】 見えない障害「難聴」③ 認定 高いハードルく

見えない障害「難聴」③ 認定 高いハードル  

「私、笑ってない」

 大阪市のフリーライター、市原玲子さん(42)は、5年前原因不明の難聴に見舞われた。

それ以来、知らず知らずのうちに表情も乏しくなっていた。

 「ああ、これはいけない」一人息子の写真を見てショックを受けた。一緒に写っている

自分の顔が笑っていないに写っている自分の顔が笑っていないのだ。

 テレビ番組がすごく面白そうなのに何を言っているかわからない。公園で母親たちの会話に

加われない。誰かと一緒にいても愛想笑いしかできない。「心の底から笑ってみたい」と

切実に感じた。

常にストレス
 難聴者は絶え間ない耳鳴りや、音や声が聞き取れないストレスを常に感じている。周囲には

気分屋、短気に映る。返事もせず、高齢者だと、よく痴呆の初期と誤解される。

 難聴の障害等級は6級から2級まであり、補聴器の給付などの公的支援が受けられる。

このうち、最も軽い6級は、両耳の聴力が70デシベル以上の音が聞こえない場合に認定されるが、これは耳元で大声を出さないと聞こえない「高度難聴」のレベルにあたる。

 しかし、両耳の聴力が50デシベル以上聞こえない「中度難聴」程度まで落ちると、生活に

かなりの支障をきたす。老人性難聴の場合、音は聞こえても、言葉として聞き取れない人も

多いからだ。両耳の聴力が50~70デシベルの人が、医師に「老下だから治らない」と

言われると、病院に頼れず、障害者福祉の対象にもならない。

「補聴器選びや精神面のサポート、社会復帰等に支援が必要なのに、聴覚障害認定の

ハードルが高すぎる」と市原さんは訴える。今はインターネットが市原さんの耳となる。

ネットで実現できる双方向の情報のやりとりは、聴覚障害者の心の支えでもある。