補聴器 【その11】 見えない障害「難聴」① 周囲の誤解がつらい

見えない障害「難聴」① 周囲の誤解がつらい  

一日中続く耳鳴り

 大阪市の市原玲子さん(42)は、夫(45)と長男(11)の3人家族で
仕事はフリーライター。家事をしながらパソコンに向かう。仕事中や買物に

行く姿からは不自由があるように見えないが身体障害聴覚3級の障害者だ。

市原さんの病気は両耳の「感音性難聴」。原因は不明。

三十歳頃から急に聴力が落ち始め、大きな耳鳴りが1日中続く。

話すことはできるが、今では相手の言葉はほとんど聞き取れなくなった。

 聴覚障害者にとって、街には「落とし穴」がたくさんある。

例えばスーパー。普通にレジを通る分には問題はない。しかし

「おはし入れますか」「ポイントカードお持ちですか?」など変化球がくると「?」

 レジでつり銭を受け取るのを忘れ、店員さんが大声で「お客さーん」と

呼んでいるのに、自分だけ気づかない。周囲の不審な視線にあっ」と振り向き

ようやく気づいた事もある。

 レストランで確認の注文を読み上げられても理解できない。ある時

「はいはい」と頷いていたら、ピザの代わりにピラフが出てきた。それ以来

注文は必ずメニューを指すようになった。

 


外見は変わらない

 「難聴って理解されにくい障害ですね」と市原さん。外見はわからないので

周囲に知られない反面誤解も生みやすい。「声をかけたのに無視された」と、

相手の気分を害しているかもとの不安がつきまとう。

 聴覚障害はコミュニケーション障害と言われる。意思疎通がうまくできないために

奇異の目で見られ、孤独感を深める。本当は「聞こえない」だけなのに

「聞いてない」と思われるのがつらい。人生の途中で難聴に見舞われた

市原さんは話す。